コラム

遮熱塗料の効果とは?メリット・デメリットや費用まで徹底解説

2021年10月7日

遮熱塗料の効果とは?メリット・デメリットや費用まで徹底解説

建物の劣化対策や省エネへの関心が高まる中、工場の屋根やマンションの大規模修繕において「遮熱塗料の効果」に注目が集まっています。夏場の厳しい直射日光による室内の温度上昇を防ぎ、エアコンの電気代を削減できる遮熱塗装ですが、実際にどれほどの効果があるのか、また断熱塗料と何が違うのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、遮熱塗料の基本的な仕組みから、屋根や外壁に塗装した際の効果の違い、具体的なメリット・デメリット、費用相場までを専門企業の視点から徹底解説します。所有する建物の省エネ化や資産価値維持を目指すオーナー様や施設担当者様は、ぜひ参考にしてください。

遮熱塗装とは

遮熱塗装では、太陽光に含まれる赤外線などの光エネルギーを反射し、建物内部に熱が伝わらないようにする「遮熱塗料」を使用して塗装工事をします。

一般的な塗装では、太陽光の熱がそのまま建物内部に入りますが、遮熱塗装では、太陽光の熱を遮断することで室内の温度上昇を防ぎ、夏場の節電効果が期待できます。

また建物が受ける熱の影響を低減し、建物の劣化を防ぐメリットもあります。そのため遮熱塗装は、夏場を快適に過ごしたい場合や、日差しが強く当たる建物で採用されることがあります。

実務上のポイントとして、遮熱塗料の効果を最大限に発揮させるためには、建物の構造や周辺環境を事前にしっかりと調査することが欠かせません。遮熱塗料は、太陽光の「反射率」を高めることで熱の流入を抑えるため、日当たりが良く周囲に遮蔽物がない建物ほどその真価を発揮します。

大規模修繕のタイミングで一般塗料から遮熱塗料へ切り替える企業やオーナー様が増えていますが、事前に現在の電気代や室温の状況を把握し、費用対効果をシミュレーションしておくことが成功の鍵となります。

断熱塗装とどう違うの?

遮熱塗装と似た塗装に「断熱塗装」があります。この断熱塗装では、太陽光を建物内部に伝わりにくくする塗料を使用することで、室内の温度を保つ特徴があります。

さらに、室内の熱を外へ逃がしにくい保温効果があるため、1年を通して快適に過ごしたい場合に選ばれています。

遮熱塗料と断熱塗料の最大の違いは、「冬場の効果」にあります。遮熱塗料は太陽光を反射して夏の暑さを防ぐことに特化しているため、外気温そのものが低い冬場に室内を温める効果(保温効果)はありません。

一方で断熱塗料は、熱の伝導そのものを抑えるため、夏の暑さを防ぐだけでなく、冬は室内の暖房熱が外へ逃げるのを防ぐ効果があります。

このように、それぞれ仕組みや得意な季節が異なるため、夏場の冷房負荷をピンポイントで下げたいのか、あるいは年間を通じて室温を安定させたいのかという目的に応じて使い分ける必要があります。

遮熱塗装の効果

遮熱塗装は屋根・屋上・外壁・べランダなどに塗装できますが、それぞれどんな効果が得られるのでしょうか。

【関連記事】遮熱塗装の具体的な効果とそれらを高めるポイントとは?

屋上・屋根に塗装する場合

遮熱塗装は直射日光の影響を受けやすい、屋根や屋上に塗装する場合が多くなります。

日本建築仕上材工業会の報告書によると、長屋棟の屋根に、一般的な塗料と遮熱塗料を塗布し、夏場のエアコンを使用した実験では、遮熱塗装で約7%の電力量削減効果が得られたという結果が出ています。

また一般社団法人日本塗料工業会によると、遮熱塗装を施した場合では、真夏における工場屋根の表面温度は最大 20℃以上も低下するとしています。塗料の種類や日当たり、間取りによっても多少の効果の違いがありますが、屋根の表面温度が低下することで、室内の温度上昇を防ぐ効果が期待できます。

屋根や屋上は建物の中で最も太陽光を垂直に受ける場所であるため、遮熱塗料の効果が最も顕著に現れる部位です。特に、金属製の折板屋根を持つ工場や倉庫、最上階の室温が上がりやすいマンションにおいては、屋根面の温度上昇を抑えることが、建物全体の空調負荷を劇的に下げることにつながります。

施工の流れとしては、下地補修や高圧洗浄を丁寧に行った上で、遮熱効果を持つ専用の下塗り材と上塗り材を規定の膜厚で均一に塗布していくことが、メーカーの公表する温度低減効果を確実に引き出すための条件となります。

【関連記事】屋根に遮熱塗装をした方がいいケースとは?塗料を選ぶ際のポイントについて

参照:一般社団法人日本塗料工業会 遮熱塗料

参照:一般社団法人日本塗料 高日射反射率塗料

外壁に塗装する場合

遮熱塗装では、屋根や屋上に塗装するものとイメージする場合が多いかもしれませんが、外壁に遮熱塗装を行うことで、建物内部への熱侵入を遮断でき、建物の劣化を防ぐことにつながります。ただ外壁は、屋根や屋上に比べると、時間帯や方角によって、太陽光の影響が変わることもあります。

そのため、外壁に遮熱塗装を検討する場合は、直射日光があたりやすい場所に位置している場合や、西日が強く当たる場合などは、検討してみるとよいでしょう。また南側の外壁は、冬に日差しを受けて暖かくなる恩恵を受けている場合もあるので、慎重に検討することが大切です。

遮熱塗装の3つのメリット

遮熱塗装の3つのメリット

遮熱塗装を工場やマンションに行う際のメリットを見ていきましょう。

冷房効率が高くなる

遮熱塗装は、通常の塗料と遮熱塗料を比較した場合、真夏の屋根の表面温度は最大20℃以上も低下するとも言われています。体感温度でいうと約1~3℃程度の低下が期待できます。「たったそれだけ?」と思うかもしれませんが、たとえば27℃の室内と、30℃の室内では、エアコンの設定や効きも異なり、使う電力が少なくなれば省エネにもつながります。

注意点として、遮熱塗料は太陽光を反射する機能が大きな特徴ですが、外気温から伝わってくる熱を抑える効果はありません。そのため、冷房が不要になるとまでは考えない方がよいでしょう。

それでも、真夏の日差しによる屋根面・外壁面の温度上昇が抑えられるため、エアコンが室内の熱を冷やすためにかかるパワーを大幅に削減できます。

設定温度を極端に下げなくても冷房が効きやすくなり、結果として夏場の電気代削減という目に見える費用対効果をもたらします。特に広い空間を一括して空調管理している大型店舗や工場などでは、毎月の光熱費を大きく抑える省エネ対策として非常に魅力的な選択肢となります。

メンテナンス周期が長くなる

一般の塗料では、10年から15年程度で塗り替えしますが、遮熱塗装では15年から20年程度と、耐用年数が長いのが特徴です。これは遮熱塗料が太陽光を反射することで、一般の塗料よりも塗膜の寿命が長くなるためです。

遮熱塗装では、メンテナンスの周期が長くなるため、初期費用はかかりますが、長期的にみるとメンテナンス費用を抑えられるメリットもあります。

一般的な塗料は、太陽光の紫外線や熱によって塗膜が徐々に破壊され、チョーキングやひび割れなどの経年劣化が進行します。しかし、遮熱塗料は熱の元となる赤外線を効率よく反射するため、塗膜自体の温度上昇が低く抑えられ、熱劣化のスピードが格段に遅くなります。

これにより、次の塗り替えまでの期間(耐用年数)が一般塗料よりも2〜3年ほど長くなる傾向があり、建物の生涯にわたるライフサイクルコストの削減に大いに貢献します。

【関連記事】外壁塗装は何年ごとに行うべき?周期の目安と劣化のサインを解説

熱による建物へのダメージを軽減

建物は雨や風、太陽光の熱によって、劣化が進みますが、屋根や外壁に遮熱塗装することによって、太陽光の熱によるダメージが軽減できます。

外壁や屋根が熱ダメージを受けると、塗膜の劣化が進行し、塗膜が浮いたり剥がれたりして、建物を守る機能が損なわれてしまいます。そこで太陽光を反射する遮熱塗装をすることで、塗料の劣化を防ぎ、建物を保護する効果が期待できます。

ただし建物の劣化は、経年劣化や外的要因など、さまざまな要素があるため、遮熱塗装をすれば劣化が防げると思わないようにしましょう。

 

遮熱塗装の3つのデメリット

遮熱塗装をする際のデメリットは何があるか確認しましょう。

値段が高い

遮熱塗装では、特殊な塗料を使用するため、一般的な塗装よりも20%ほど高くなります。一般的な塗装の費用では、2,400円/㎡程度にあるのに対して、遮熱塗装をすると3000円/㎡~となります。事前に塗装工事で、どれだけの予算が組めるのか、確認しておくことが大切です。

費用面に関しては、平米単価の初期投資が高くなる点が最大のハードルと言えますが、これに対しては自治体が実施している「省エネリフォーム助成金」や「暑さ対策補助金」を活用できるケースがあります。

多くの自治体では、遮熱塗料を用いた屋根や外壁の塗装工事に対して、施工費用の一部を補助する制度を設けているため、これを利用できれば実質的な自己負担額を大きく抑えることが可能です。ただし、補助金の申請は必ず「着工前」に行う必要があり、必要書類や審査の流れが複雑な場合も多いため、申請実績が豊富な施工会社を選び、計画段階からサポートしてもらうのがスムーズです。

また遮熱塗装は、塗りづらさや塗りムラが発生しやすい点もあるため、塗装技術を持つ業者に依頼する必要があります。

は室内の保温ができないため寒い

1年を通して室内温度を快適にしたい場合は、夏は暑さを伝えにくくて冬は室内温度を逃がしにくい、そして熱伝導率が低い断熱塗装を検討しましょう。

遮熱塗装は暑い夏に効果を発揮しますが、寒さをしのぎたい冬には太陽光の力を借りることができなくなります。

希望する色が選べない場合がある

遮熱効果を最優先にする場合、基本的には白やライトグレー、クリーム色などの「明度が高い明るい色」を選ぶ必要があります。しかし、マンションのデザインや企業のコーポレートカラーの都合上、どうしても黒やネイビー、ダークブラウンなどの濃い色を採用したいというケースもあるでしょう。

最近では、メーカーの技術開発により、濃い色であっても従来の一般塗料より高い赤外線反射率を持つ遮熱塗料も登場していますが、それでも白色系に比べると遮熱効果は劣ってしまいます。色選びの際は、デザイン性と遮熱効果のどちらのバランスを優先するか、カラーシミュレーションを活用しながら慎重に決定していく流れとなります。

また塗料メーカーによっては、イメージする色が選べない場合もあります。

遮熱塗料の選び方は?

遮熱塗料の選び方は?

一般的に遮熱塗料と呼ばれるものの、正式名称は「高日射反射率塗料」と言われるもので、太陽光に含まれる光エネルギーを高いレベルで反射し、塗膜ならびに被塗物の温度上昇を抑えることができるのが特徴です。

遮熱塗料では、日射反射機能と耐久性を基準に選ぶとよいでしょう。日射反射率とは、太陽光が塗料に当たった時に、どれだけ反射できるかを表す数値を指しています。

また色によっても遮熱効果に差があるため、遮熱効果を高めるためには、反射率の高い色の塗料を選ぶとよいでしょう。メーカーによっても異なりますが、色合いが明るくなるほど、反射する効果が高まります。

おすすめの遮熱塗料は

遮熱塗料ではさまざまなメーカーから販売されていますが、遮熱効果だけではなく、他の機能が追加された塗料を選ぶとよいでしょう。

遮熱塗料メーカーの中でも高いシェアを誇る、アステックペイントの遮熱塗料「リファインシリーズ」は、遮熱効果が高いのはもちろんのこと、汚れにくさ・高耐候性があり、68色から選べます。

商品名特徴こんな場合に耐用年数(目安)
リファインSI・セルフクリーニング
・高い耐候性
・美観の維持15年~18年
リファインMF・セルフクリーニング
・優れた耐候性
・美観の維持
・メンテナンスの間隔を伸ばしたい
20年~24年
EC5000シリーズ・防水性能が高い・雨漏り対策15年

参照:株式会社アステックペイント 超低汚染リファインシリーズ

その他には、こんな遮熱塗料があります。

・クールタイト(エスケー化研株式会社)
・サーモアイ、サーモアイウォール(日本ペイント株式会社)
・アレスクール(関西ペイント)
・ミラクール(株式会社ミラクール)
・パラサーモ(日本特殊塗料株式会社)
・アドグリーンコート(日本中央研究所)

遮熱塗装はこんな場合におすすめ

遮熱塗装はどんな建物に適しているのかまとめました。

節電+省エネに取組みたい

夏場での過ごしづらさや、電気代の高さに悩んでいる場合は、遮熱塗装を検討するとよいでしょう。遮熱塗装によって室温の上昇が抑えられるため、エアコンにかかる負荷が減り、冷房が効きやすくなり、節電だけでなく、省エネにもつながります。

品質管理に懸念点がある

遮熱塗装では、建物内の温度上昇が抑えられるため、夏の暑さによって、建物内にある原料や商品が変質するリスクを減少させます。そのため、工場内での危険物や温度管理が必要な原料・商品の品質管理に役立ちます。

金属屋根の建物

属屋根は熱伝導率が高く、太陽光の熱が屋根材に伝わりやすいのが難点ですが、遮熱塗装によって太陽光を反射し、屋根及び建物の温度上昇を抑えることができます。具体的にはトタン屋根や、ガルバリウム鋼鈑の屋根だと、その効果は高まります。

吹き抜けのある建物

吹き抜けのある建物は、吹き抜けから熱が建物に侵入しやすく、室内が熱くなりやすい傾向があります。そこで、屋根に遮熱塗料を使用することで、熱の侵入を防ぎ、暑さがを軽減できます。

遮熱塗装での注意点は

遮熱塗装は特殊な塗料を使用するため、高度な塗装技術が必要です。

また遮熱塗装は、塗膜表面が綺麗であれば効果を発揮しやすくなりますが、表面が汚れていると、反射しにくくなり、遮熱効果が低下してしまう懸念点もあります。

そのため、適切な塗装方法や注意点を知り、塗装技術に長けた塗装業者に依頼すると安心です。

マンション・工場などの外壁塗装はお任せ!白鳳にご相談を

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遮熱塗装の効果やメリット、デメリットについて解説しました。

遮熱塗装を含む外壁塗装では、天候不良などのアクシデントがつきものであることから、施工管理に長けている、実績のある業者を選ぶことが大切です。

外壁塗装は外部環境によりメンテナンスが時々で発生するため、長期的な付き合いができる優良業者に依頼することが、建物を長く安全に保つことにつながります。

私たち株式会社 白鳳は6,000件以上の大規模修繕に携わってきた実績を持ち、設計から施工まで一貫対応が可能な大規模修繕専門企業です。外壁補修やリフォーム、建材の張り替えの他にも、床や内装、タンク、配管、建具などの塗装も得意としています。

また、ドローンによる空撮や目視での事前調査、工事内容を見える化した詳細なお見積もりの作成、ISO 9001に準拠した施工管理の徹底、出来上がりが見えるシミュレーションシステムの運用、向こう10年間の定期的な点検など、安心してお任せいただける体制を整えております。

ご相談は無料となっておりますので、大規模修繕・外壁塗装でお悩みのオーナー様、管理会社様、施設担当者様はぜひ一度お気軽お問い合わせください。

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