マンション漏水の原因とは?適切な対処法と責任について解説
2026年4月23日


築年数の古いマンションほど、設備や配管の劣化が進みやすく、漏水のリスクが高まります。ひとたび漏水が発生すると、住民の生活に大きな支障をきたすだけでなく、近隣住民とのトラブルに発展する可能性もあります。
こうした事態を防ぐためには、まずマンションで漏水が起こる主な原因を正しく理解し、事前に適切な対策を講じておくことが重要です。また、万が一漏水が発生した場合の対処法をあらかじめ知っておくことで、被害の拡大を最小限に抑えることができます。
本記事では、マンションにおける漏水の主な原因、具体的な対処法、さらに発生時に気になる責任の所在について分かりやすく解説します。
<目次>
マンションで起きる漏水の原因とは
マンションで漏水が発生した場合、まず重要になるのが原因の特定です。原因によって修理方法や費用負担、責任の所在が大きく変わるため、正確な見極めが欠かせません。
ここでは、マンションでよく見られる漏水の原因を解説します。
- 給水管・給湯管の劣化や破損
- 天井や壁からの雨漏り
- 水回り設備の不具合
- 浴室・キッチンの防水不良
1. 給水管・給湯管の劣化や破損
マンション漏水の原因として最も多いのが、給水管や給湯管の経年劣化や破損です。
配管は長年の使用により、継ぎ手部分の緩みや内部のサビ、ホースや接続部の劣化が徐々に進行します。その結果、小さな穴や亀裂が生じ、そこから水が漏れ出します。
特に注意が必要なのは、配管が壁の内部や床下に隠れている点です。異常に気づきにくく、最初は少量の漏水でも、長期間放置されることで被害が拡大するケースがあります。気づいたときには、下の階まで水が及んでいることも少なくありません。
築年数が経過したマンションでは、こうしたリスクを踏まえ、配管の更新や改修工事が検討されるケースが増えています。
2. 天井や壁からの雨漏り
外部から侵入した雨水による雨漏りも、代表的な漏水原因のひとつです。
外壁や屋上の防水層、シーリング材は年月とともに劣化します。ひび割れや継ぎ目の隙間、外壁タイルの浮きなどが生じると、そこから雨水が浸入しやすくなります。特に屋上、外壁、窓まわり、換気口などの開口部は侵入リスクが高い箇所です。
主な症状としては、天井のシミや壁紙の膨らみなどが挙げられます。雨の日や雨上がりに症状が悪化する場合は、雨漏りの可能性が高いといえるでしょう。
雨漏りを放置すると、建物内部の躯体や断熱材が腐食する恐れがあり、建物全体の耐久性にも影響を及ぼします。
3. 水回り設備の不具合
住宅内の設備トラブルも、漏水のよくある原因です。
例えば、洗濯機の給排水ホースの外れ、トイレタンク内部のパッキン劣化、食洗機の接続部の緩みなどが挙げられます。設備の経年劣化に加え、設置不良や使用方法などの人為的要因が重なることで発生するケースも少なくありません。
このタイプの漏水は、床が濡れる、水道料金が急に上がるといった比較的分かりやすいサインが出ることが多いのが特徴です。
4. 浴室・キッチンの防水不良
浴室やキッチンの防水施工が不十分だったり、経年劣化によって防水性能が低下したりすると、漏水につながることがあります。
これらの場所は常に水や湿気にさらされているため、防水層の劣化が進みやすい環境です。目地の割れや床の隙間、防水層の剥がれなどから水が床下へ浸入し、気づかないうちに内部で被害が広がることもあります。
床下や壁内部で進行するため外からは分かりにくい点が厄介ですが、目地の状態を定期的に確認することや、十分な換気を行うことが、早期発見と予防につながります。
マンションで漏水が起きた際の責任の所在とは?

マンションで漏水が発生した場合、原因や発生場所によって責任を負う主体が異なります。
誰が修理費用を負担し、誰が被害補償を行うのかを明確にするためには、まず漏水の発生源を特定することが重要です。
ここでは、専有部分・共用部分・賃貸マンションの場合に分けて、責任の所在について解説します。
専有部分であれば区分所有者
専有部分で発生した漏水は、原則としてその部分の区分所有者、つまり住戸の所有者が責任を負います。
専有部分とは、マンションの規約で個人の所有範囲として定められている部分です。具体的には、居室内の浴室・トイレ・キッチンの設備、また、専有部分を通っている給水管なども専有部分に該当します。
これらは区分所有者が所有・管理・使用する設備であるため、不具合による漏水が起きた場合、修理費用は基本的に区分所有者の負担となります。さらに、管理不十分などの過失が認められる場合には、下階住戸などへ生じた被害について損害賠償責任を負う可能性もあります。
なお、専有部分と共用部分の区分はマンションごとに管理規約で定められているため、必ず事前に内容を確認しておきましょう。
共用部分であれば管理組合・管理会社
共用部分からの漏水は、管理組合が責任を持って対応・費用負担するのが原則です。実際の窓口対応は、管理会社が管理組合の代理として行うケースが多くなります。
共用部分とは、建物全体の維持管理のための部分であり、全区分所有者の共有財産であり、玄関外の共用廊下、屋上、外壁、共用階段などが該当します。
これらの部分で漏水が発生した場合は、管理組合が修理や補修を行い、費用は修繕積立金や管理組合の会計から支払われます。
賃貸マンションの場合
賃貸マンションで漏水が起きた場合、原則として貸主(オーナーや管理会社)が修理責任を負います。
賃貸借契約において、貸主には建物や設備を「通常使用できる状態で維持する義務」があるため、経年劣化などによる設備不良の修理費用を入居者が負担する必要はありません。
ただし、以下のような場合には、入居者が修理費用や損害賠償を負担することがあります。
- 設備の誤使用や故意・過失による破損
- 異常に気づきながら放置し、被害を拡大させた場合 など
漏水や設備の異常に気づいた場合は、被害を最小限に抑えるためにも、速やかに貸主や管理会社へ連絡しましょう。
関連記事:賃貸オーナーなら知っておきたい!よくあるトラブルとその対処法
マンションで漏水が起きたときの対処
マンションで漏水が発生した場合、初動対応の早さが被害の大きさを左右します。適切な手順で行動することで、被害拡大や後のトラブルを防ぎやすくなります。
ここでは、漏水を発見した際にまず行うべき初期対応と対処方法を解説します。
- 水を止めて被害拡大を防ぐ
- 管理会社・管理組合へ連絡する
- 状況を記録する
1. 水を止めて被害拡大を防ぐ
漏水発生時に最優先で行うべきことは、水を止めることです。
水が流れ続けると、床や天井への浸水が進み、下階への漏水被害も拡大します。さらに、電気設備や家具、内装材にまで被害が広がる可能性があります。早期に止水することで、被害範囲を最小限に抑えられます。
具体的には、次の対応を行いましょう。
- 居室内の給水栓を閉める
- 必要に応じて止水栓や元栓を閉める
- 洗濯機や食洗機のホース元栓を閉める など
なお、水を止める際は電気系統に触れないよう注意し、感電防止など安全面も重視しましょう。
2. 管理会社・管理組合へ連絡する
漏水が起きたら、発見後できるだけ早く管理会社、または管理組合へ連絡します。あわせて、今後の対応方法や施工業者の手配について指示を仰ぎましょう。
管理組合や管理会社は、建物全体の保守管理を担っています。漏水の原因調査や応急処置、修理対応の手配を行う役割があります。
連絡が遅れると、修理費負担や責任の所在を巡ってトラブルになる可能性があります。管理会社は過去の図面や修繕履歴を保管しているため、的確な原因調査や優先度の高い対応が可能です。
連絡時には、発生場所や発見した日時、水の量や状況を簡潔に伝えるとスムーズです。
3. 状況を記録する
漏水発生時は、必ず証拠となる写真や動画、日時の記録を残しておくことが重要です。これらは、後の原因特定や賠償、保険請求の際に大きな助けになります。
漏水トラブルでは、責任の所在や原因、被害範囲を巡って意見が分かれることがあるため、視覚的な証拠と日時の記録があると、客観的な判断材料になります。
記録のポイントとして以下が挙げられます。
- 被害箇所を複数方向から撮影する
- 動画で水の流れや滴下の様子を記録する
- 発見日時・撮影日時をメモや端末データで保存する など
可能であれば、同じ場所を時間をおいて撮影し、症状の進行状況も残しておきましょう。撮影したデータは、管理会社にも共有しておくと対応がスムーズになります。
マンションの漏水対策として配管更新がおすすめ

築年数が経過しているマンションや、漏水トラブルを繰り返している建物、配管材の老朽化が進んでいるケースでは、配管更新が有効な漏水対策になります。
配管更新とは古い給水管・排水管を撤去し、新しい配管に交換する工事のことです。給水管や給湯管は、年月の経過とともに劣化し、亀裂やピンホール(微小な穴)が発生します。部分的な修理を行っても、別の箇所で再び漏水が起きる可能性が高く、根本的な解決にはなりにくいのが実情です。
特に築20年以上の建物では、配管の耐用年数が限界に近づいているケースが多く、長期的な視点で見ると、繰り返し修理を行うよりも配管更新した方が、リスク低減とコスト面の両面で合理的といえます。
配管更新がおすすめのケース
配管更新を検討したほうがよい代表的なケースには、次のようなものがあります。
- 過去に複数回の漏水修理が発生している
- 給排水設備の使用年数が15〜20年以上経過している
- 下階への漏水が頻発している
- 複数住戸で設備トラブルが続いている など
これらに当てはまる場合は、部分修理を繰り返すよりも、早めに配管全体の更新を検討した方が、結果的に費用対効果が高くなることがあります。
配管更新のメリット
配管更新には、以下のようなメリットがあります。
- サビや劣化による漏水リスクを根本的に低減できる
- 突発的な修理や緊急対応の回数を減らせる
- 将来の修繕費用を計画的に予算化できる
- 住戸の資産価値や賃貸時の評価向上につながる
- 漏水の不安が減り、居住者の安心感が高まる など
配管更新は単なる「修理」ではなく、マンション全体のライフサイクルコストを抑えるための投資と捉えることができます。
配管更新の流れ
配管更新は以下のような流れで進めていきます。
| 流れ | 内容 |
|---|---|
| 1.現地調査 |
配管の劣化状況、配管材の種類、配管ルートを確認 必要に応じてカメラ調査や各種検査を実施 |
| 2.更新仕様・工法の決定 |
樹脂管やステンレス管などの素材を選定 専有部・共用部それぞれの更新範囲を明確化 |
| 3.見積り取得・予算化 |
複数社から見積りを取得し比較検討 管理組合が主体の場合は、総会で承認を得て予算化 |
| 4.工事の実施 | 床・壁の開口が必要な場合は内装復旧も実施 |
| 5.引き渡し |
仕上がり確認後に引き渡し 保証書発行、点検計画なども行う |
配管更新の費用目安
配管更新の費用は、施工範囲や使用する素材、専有部か共用部か、内装復旧の有無などによって大きく変わります。
専有部のみを更新する場合の目安としては、通常、数十万円から100万円台前後になるケースが多く、施工範囲が広くなるほど費用は高くなる傾向があります。
正確な金額を把握するためには、事前に現地調査を行い、具体的な見積りを取得したうえで比較検討することが重要です。
関連記事:4種類の屋上防水工事について解説!費用や点検のポイント
原因を理解し漏水が起きる前に対策を
本記事では、マンションの漏水の原因について紹介しました。
築年数が経過したマンションでは、設備や配管の経年劣化が避けられず、結果として漏水が発生するケースも少なくありません。しかし、漏水は住民の生活満足度を下げるだけでなく、マンションの資産価値低下などにもつながる可能性があります。
そのため、漏水が発生してから対応するのではなく、事前に原因を理解し、計画的に対策を講じることが重要です。配管更新の検討や、防水工事を含めた大規模修繕の時期に入っていないかを定期的に確認し、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
弊社では、マンションの防水工事や改修工事、大規模修繕工事を多数手がけております。具体的な施工内容や実績については、以下の施工事例もぜひ参考にしてみてください。
マンションの大規模修繕は白鳳にお任せください

私たち株式会社 白鳳は6,000件以上の大規模修繕に携わってきた実績を持ち、設計から施工まで一貫対応が可能な大規模修繕専門企業です。外壁補修やリフォーム、建材の張り替えの他にも、床や内装、タンク、配管、建具などの塗装も得意としています。
また、ドローンによる空撮や目視での事前調査、工事内容を見える化した詳細なお見積もりの作成、ISO 9001に準拠した施工管理の徹底、出来上がりが見えるシミュレーションシステムの運用、向こう10年間の定期的な点検など、安心してお任せいただける体制を整えております。
ご相談は無料となっておりますので、大規模修繕・外壁塗装でお悩みのマンション管理会社様、管理組合の担当者様、オーナー様はぜひ一度お気軽にお問い合わせください。


















