コラム

大規模修繕で多発するトラブルって?その原因・対策を解説

2021年7月30日

大規模修繕で多発するトラブルって?その原因・対策を解説

マンションの大規模修繕工事では、いくら綿密に計画を立てていても、想定外のトラブルが発生することがあります。

実際にトラブルに直面したときに慌てることがないよう、トラブルの原因を知り、事前に対策をしておくと安心です。

この記事では、大規模修繕工事で多発するトラブルや、原因・対策について解説します。

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大規模修繕工事で多い3つのトラブルと対策

実際に大規模修繕工事で多発する3つのトラブルを見ていきましょう。

①騒音トラブル

外壁の補修工事や、足場を組む仮設工事のときに大きな音が発生することがあります。

外壁の補修工事では、ひび割れが生じているタイルを電動カッターを使って撤去するときや、タイルの接着剤を流しこむ穴をあけるときに、ドリルの音が響くことがあります。

仮設工事では、組み立てと解体のときに独特の金属音が出ます。また足場を組み立てるとき、足場の倒壊や変形を防ぐ壁つなぎを設置し、ドリルを使用して穴をあけて取り付けますが、その際に大きな音が発生することもあります。

こういった騒音に対して苦情が発生しないように、施工会社と打合せをして騒音が発生する時間を決めておき、その時間内で工事をすると決めておくとよいでしょう。また居住者には工事日だけでなく、騒音が発生する時間もきちんと伝えておくことが大切です。

関連記事:「マンション修繕工事がうるさい時の対策

②臭気トラブル

大規模修繕工事では、各戸の玄関回りの塗装工事も工事対象になります。この塗装工事では玄関のサビや腐食の補修、外観の維持をするために行いますが、塗料から発生する揮発性のシンナーが強い臭いを発生させるため、トラブルになることがあります。

塗料の臭気は不快に感じたり、ストレスから体調不良に陥ったりすることもあります。こういった臭気トラブルを防ぐためには、臭気が発生しにくい塗料がないか施工会社に聞いてみるのも一つの方法です。

また事前に居住者にアンケートをとり、お子さんのアレルギー有無の確認や、高齢者の方の身体的理由などから臭気に耐えられるかどうか、聞き取りをしておくのも有効です。どうしても臭気に耐えられない場合は、居住者が退室している時間に、代理人や管理人の立ち合いのもと、作業をすることもあります。

ただどうしても折り合いがつかない場合は、施工しないという選択もあります。

③工事費用トラブル

大規模修繕工事では、仮設の足場を設置することで、新たに補修箇所が見つかり、工事が追加されることがあります。

追加の工事内容や費用に対して、管理組合と施工会社で合意があれば問題ありませんが、合意がなくそのまま行われ、工事完了時に請求された場合は大きな問題になります。

こういったトラブルを防ぐためには、見積り内容に工事のどこまでが含まれているのかを事前に目を通しておく、追加工事が発生する場合はその都度見積りをもらうなど、取り決めをしておくことが大事です。

国土交通省から注意喚起されているトラブル

国土交通省からは「設計コンサルタントとの契約トラブル」について注意喚起がされています。

設計コンサルタントは、診断・設計・工事監理を担っており、不透明になりがちな大規模修繕工事を公正な立場でサポートする役割を担っています。

しかし実際のところは、自社だけに利益が生じるような不正を行う設計コンサルタントが後を絶ちません。

  • コンサルタント会社にバックマージンを支払う施工会社が受注できるよう、不適切な工作を行う
  • 格安のコンサルタント料金で受託し、割高な工事費や、過剰な工事項目などの発注を誘導する
  • パンフレットには技術者がいることを謳っているが、実際に調査診断・設計を行っていたのは、懇意にしている施工会社で、コンサルタント会社に技術者は1人もいなかった

上記のトラブル例は一例ですが、主に設計コンサルタントと施工会社の癒着、不当な工事費用の吊り上げなどが問題視されています。

参照:設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について

設計コンサルタントの不正に遭わないためには

適切な設計コンサルタントと契約するためにはどうすれば良いでしょうか。

  • 理事会における投票や審議など、公正な手続の下で決定する
  • 施工会社は公募などで、透明な形で募集する
  • 複数の業者から見積りをとる
  • 過去の実績を考慮する

多くの居住者に関与してもらい、厳しい目で設計コンサルタントの良し悪しを判断することが大切です。また設計コンサルタント任せで施工会社を決めるのではなく、公募などで施工会社を決めることも検討しましょう。

他にも!大規模修繕工事で気をつけたいトラブル

大規模修繕工事では、その他にも、居住者・施工会社・セキュリティ面などでさまざまなトラブルが発生します。具体的なトラブルだけでなく、対策も確認しておきましょう。

居住者とのトラブル・対策

大規模修繕工事は、居住者が日常生活を送っている中で行うため、トラブルが発生しやすくなります。

工事に非協力的

大規模修繕工事を円滑に進めるには、居住者の理解と協力が必要不可欠です。例えば修繕積立金が不足しているときには、一時金の徴収で協力を依頼することもあるでしょう。

ただ居住者の中には、そもそも大規模修繕工事を必要なものと思えず、工事を阻害したり、非協力な発言をしたりする人もいます。

居住者とのトラブルは、コミュニケーション不足によって発生することが多くなるので、工事前はもちろんのこと、工事中・工事後も居住者とこまめにコミュニケーションをとっておくことが大事です。

また居住者に工事内容やスケジュールのお知らせをするだけではなく、現在の建物の劣化状況や大規模修繕工事を行う目的もきちんと共有しておきましょう。

プライバシー問題

大規模修繕工事では外壁の修繕工事を行うことが多くなりますが、足場を立てて工事をするため、作業員がバルコニーに入らずとも室内が見える状況になります。

よく教育された作業員は室内に視線をやらないように努力しますが、室内に人影を感じて思わず視線を向けてしまうこともあります。

そういった作業員の行動に対し「部屋の中が見られた」との苦情が届くことがあります。プライバシー問題を回避するためには、工事説明会のときなどに、「工事期間中はカーテンを閉めてもらう」ことを徹底するなど、事前のアナウンスが必要になります。

専有部での作業

古いマンションでは、共用管が専有部内の壁面に格納されている場合があり、この共用管の取替え作業のために室内に立ち入ることがあります。

不在者宅に立ち入る場合には、居住者の事前の承諾が必要であることは言うまでもありませんが、不在時の入室許可を得ていたので、インターホンやノックもせずに鍵を開けて入ったら、居住者と対面してしまったという事例もあります。

このトラブルでは、作業員のマナーに問題があったといえますが、入室の手順について、施工会社に十分な配慮を求めることが大切です。

施工会社とのトラブル・対策

施工会社とのトラブルは、施工前・施工中・施工後で起こりえます。頻発するトラブルを回避するためには、施工会社を慎重に選ぶことが大事でしょう。

予定通りに進まない

大規模修繕工事が遅延する要因には、一つに悪天候の影響がありますが、途中で工事内容を変更したり、設備などの仕様のグレードを上げたりすることによって、工期が遅れることもあります。

大規模修繕工事を予定通りに進めるためには、安全面に関わらない工事の変更は出来るだけ避けて、予定通りの工事を優先することが大切です。

また工事の進捗状況をこまめに確認し、居住者と工事の状況を共有することを忘れないでいましょう。

工事後に施工不良箇所があった

大規模修繕工事を終えたものの、数年も立たないうちに水漏れが発生した、外壁のタイルが剥がれてきたなどの不良箇所が見つかった場合は、施工会社にすぐに連絡しましょう。保証期間内であれば無償で対応してもらえることもあります。

また施工会社が瑕疵(かし)保険に入っている場合は、工事完了日から5年間、損害額の約8割の保険金を受け取ることもできます。施工会社の選定時に瑕疵保険に入っているかを確認するのも大事になるでしょう。

参照:住宅保証機構

近隣住民とのトラブル・対策

マンションの居住者とは工事内容の共有ができていたとしても、近隣住民への挨拶がおろそかになり、その結果トラブルに発展するケースもあります。

騒音・臭気・ホコリ

大規模修繕工事には騒音・臭気・ホコリはつきもので、工事期間も長期にわたることから、不快感を募らせる近隣住民もいるでしょう。それだけではなく、工事車両や業者の出入りについて「通行が邪魔された」と苦情が届くことがあります。

こういったトラブルを回避するためには、工事前の挨拶・お知らせを徹底しておくことが大切です。基本的に、近隣住民への挨拶は施工会社が行いますが、工事前・工事中・工事後とこまめに近隣住民に挨拶をしてもらうよう、施工会社に依頼しておくことも大切です。

セキュリティ面のトラブル・対策

大規模修繕工事では人間関係や工事に関するトラブルだけではなく、防犯上のトラブルが発生することもあります。

空き巣被害

大規模修繕工事では、仮設の足場から空き巣が侵入し、窃盗や窓ガラスの破損といった被害が生じることもあります。この場合、住民の行動に落ち度はないため、大規模修繕工事を執り行った施工会社が加入している工事保険から保険金が下りるのが一般的です。

施工会社と契約する際は、セキュリティ面に関してどのレベルまで補償があるのか、加入している保険について確認しておくと安心でしょう。

また居住者の安全を守るために、施工会社から無償で補助錠を貸し出してもらう、死角部分に人感センサー付きのサーチライトを設置する、監視カメラを設置するなどの対策を講じておくことも大切です。

急増しているトラブルはこれ!

大規模修繕工事では、普段マンションの管理をしてもらっていることから、管理会社に主導権を握られてしまうケースが多くあります。その結果、不必要な工事の提案を受け入れたり、余分な手数料を支払ったりするなどして、修繕積立金の不足に陥るケースが増えています。

管理会社から、工事を一度で終えるための借入や、修繕積立金の増額の提案があるかもしれませんが、無理に借入などをして修繕工事を進める必要はありません。マンションのどこに問題があるのかをきちんと把握し、優先順位を決めて進めていくことが大事です。

また有名な施工会社や、規模の大きい会社は一見すると安心感がありますが、工事に使用する材料などはメーカーが保証してくれることも多く、有名な施工会社だから、保証も工事も全て安心とは限りません。

契約する会社の規模によって費用が1,000万2,000万かわることもあるので、契約においては居住者の意見も取り入れながら慎重に選ぶ必要があります。

トラブルが起きてしまう主な原因

大規模修繕工事で起こりがちなトラブルについて、実際の事例を含めて説明しました。ではなぜ大規模修繕工事でトラブルが発生してしまうのか、その根本的な原因を押さえておきましょう。

  • 居住者とのコミュニケーション不足
  • 近隣住民への周知ができていなかった
  • 管理会社や設計コンサルタントに任せきりにしてしまった
  • 大規模修繕工事について勉強不足

大規模修繕工事は、居住者や近隣住民とのコミュニケーション不足によってトラブルが発生することが多くあります。これらのトラブルを回避するためには、工事前からのこまめな伝達や情報共有が欠かせません。

また工事に関しては管理会社や設計コンサルタントに提案されるがままではなく、事前にどんな工事が行われるのか、知識をつけておくことも大切でしょう。

関連記事:「大規模修繕工事の内容をわかりやすく解説!失敗しない進め方は」

トラブルを回避!大規模修繕を円滑に進めるためのコツ

トラブルを回避!大規模修繕を円滑に進めるためのコツ

大規模修繕工事でトラブルを回避し、円滑に進めるために必要なことをまとめました。

トラブルを想定した修繕計画を立てる

事前に起こりうるトラブルを想定して、トラブルが発生した際にどんな対応をするのか、修繕計画を立て、マニュアルを作成しておくと安心です。

そのためには、大規模修繕の進行に大きな役割を果たす修繕委員会のメンバーが、大規模修繕工事の知識を深めておくこと、そして修繕計画を立てる際には、居住者や施工会社の意見を取り入れた計画を立てていくことが大切になります。

実績のある施工会社を選ぶ

大規模修繕工事を円滑に進めるためには、施工会社が大きな鍵を握っていると言っても過言ではありません。

施工会社の中にはトラブル回避の術を知っている会社や、施工後のアフターケアが充実している会社もあります。良い施工会社を選ぶには、「大規模修繕専門」の会社であることや、実績が多いことを基準にして選ぶと安心です。

マンション大規模修繕の劣化診断からアフターケアまで!白鳳にご相談を

マンション大規模修繕は白鳳にご相談を!

今回は、マンション大規模修繕のトラブルについて解説してきました。

マンション大規模修繕に際しては、適切な人数かつ公平な人選で管理委員会を結成すること、予算にあった発注方法を選択すること、アフターケアまで考えてくれる業者を選ぶことが大切です。

マンションは建て替えまでに数十年という期間があります。その間複数回にわたって修繕が必要になるため、長期的なスパンでケアを考えてくれる優良業者に依頼することが、マンションを長く安全に保つことにつながります。

白鳳はお客様のご希望に寄り添った大規模修繕工事を実現します。

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