コラム

防水工事と塗装工事の違いとは?工事の目的・検討時のポイントを紹介

2026年6月3日

防水工事と塗装工事の違いとは?工事の目的・検討時のポイントを紹介

防水工事と塗装工事。どちらも建物の維持管理に関わる工事ですが、目的や施工箇所、求められる性能はそれぞれ異なります。

適切な修繕を行うためには、それぞれの役割を正しく理解したうえで、建物の状態に応じて必要な工事を判断することが大切です。

この記事では、防水工事と塗装工事の違いをはじめ、それぞれが必要となるケースや、同時に実施するメリット、大規模修繕における考え方について解説します。

防水工事と塗装工事の違いとは

防水工事と塗装工事は、どちらも建物を保護するために行う工事です。似た工事のように思われがちですが、目的が全く異なります。

実際に、大規模修繕の長期修繕計画では、屋上防水やバルコニー床防水、開放廊下・階段等床防水といった防水工事と、外壁塗装、軒天塗装、鉄部塗装などの塗装工事は、それぞれ別の工事項目として整理されています。

建物に必要な修繕を適切に判断するには、両者の違いを正しく理解しておくことが大切です。

防水工事と塗装工事の目的の違い

防水工事と塗装工事の大きな違いは、工事の目的にあります。

防水工事は、雨水が建物内部へ浸入するのを防ぐことを主な目的とする工事です。

対して塗装工事は、建物の表面に塗膜を形成することで、雨水や紫外線、汚れなどから外壁や鉄部を保護し、美観の維持や劣化の抑制につなげる役割を担います。

工程だけを見るとどちらも“塗る工事”のように感じられるかもしれませんが、実際には
目的や性能が異なるものです。雨漏りや漏水のリスクがある箇所では、防水性能そのものを確保する視点が必要になります。

防水工事と塗装工事での施工箇所の違い

防水工事と塗装工事は、施工される箇所にも違いがあります。

大規模修繕における防水工事の対象としては、屋上、塔屋、ルーフバルコニー、バルコニー床、開放廊下、階段の床、ひさし・笠木などが挙げられます。これらはいずれも、雨水が滞留したり浸入したりしやすく、防水性能の確保が特に重要になる部位です。

一方、塗装工事の対象となるのは、外壁、手すり壁、軒天、共用部やバルコニーの手すり、屋上フェンスなどです。これらの部位は、日射や風雨の影響を受けて表面が劣化しやすいため、塗膜による保護が求められます。

防水工事と塗装工事での工法や材料の違い

防水工事と塗装工事は、採用される工法や材料にも明確な違いがあります。

防水工事では、液体状の防水材を塗布して防水被膜をつくる塗膜防水のほか、シートを施工するシート防水、FRP防水といった防水工法があります。こうした防水工法の中から、施工箇所や求められる性能に応じて工法が選定されます。

対して塗装工事は、下地の状態を整えたうえで、下塗り・中塗り・上塗りといった工程を重ねながら塗膜を形成していくやり方が一般的です。単に色を付けるだけではなく、適切な工程を経て十分な膜の厚みを確保し、保護機能、美観維持といった効果が得られます。

防水工事と塗装工事で勘違いしやすいポイント

防水工事と塗装工事で勘違いしやすいポイント

防水工事と塗装工事は、目的や施工範囲、必要となる場面が異なるため、両者を混同したまま判断すると、必要な修繕を見落としてしまうおそれがあります。

適切な大規模修繕を行うためには、「似ているようで異なる工事」であることを前提に、それぞれの特徴を整理して理解しておきましょう。

塗装工事だけでは防水工事の代わりにはならない

塗装工事には、外壁や鉄部の表面を保護し、紫外線や風雨による劣化を抑える役割があります。

しかし、塗装工事はあくまで建物表面の保護や美観維持を目的とするものです。防水工事のように、雨水の浸入を防ぐための防水層を再形成する工事とは役割が異なります。

そのため、外壁や屋上、バルコニーなどで漏水リスクが生じている場合に、塗装工事だけで十分と判断するのは適切ではありません。

特に、雨漏りや漏水がすでに発生している場合や、防水層の膨れ、剥がれ、ひび割れなどが確認される場合には、防水性能そのものが低下している可能性があります。

このようなケースでは、見た目を整えることよりも、まず雨水の浸入を防ぐための対策を優先して検討することが大切です。塗装工事に一定の保護機能があるとしても、それだけで防水工事の代わりになるとは限りません。

防水工事だけでは外壁全体の保護が十分とはいえない

一方で、防水工事を実施したからといって、外壁全体の保護が十分とはいえません。

防水工事は、主に屋上、バルコニー、開放廊下、階段床など、雨水の影響を受けやすい特定の部位に対して行われることが多く、施工範囲は比較的限定されます。

そのため、防水工事によって漏水対策ができたとしても、外壁や鉄部、軒天など別の部位の劣化まで同時に解消できるわけではありません。

たとえば、外壁の色あせやチョーキング、塗膜の剥がれ、鉄部のサビなどは、防水工事とは別に塗装工事による対応が必要になる代表的な症状です。

大規模修繕では、建物の一部だけではなく全体の状態を見ながら、どの部位にどの工事が必要なのかを切り分けて考えることが重要です。防水工事と塗装工事は、どちらか一方で建物全体をまかなうものではなく、それぞれ異なる部位と機能を担う工事として捉える必要があります。

防水工事と塗装工事はどちらが必要?

防水工事と塗装工事はどちらが必要?

防水工事と塗装工事は、目的や必要になる場面が異なるものですが、建物の劣化部位に劣化状況によっては両方の工事が必要になるケースもあります。

適切な判断を行うためには、それぞれの工事が必要になりやすいケースを把握しておきましょう。

防水工事が必要になりやすいケース

防水工事が必要になりやすいケースは、屋上やバルコニー、開放廊下、階段など、雨水の影響を受けやすい箇所に劣化が見られる場合です。

たとえば、床面に水たまりができやすくなっている、表面にひび割れや膨れが見られる、防水層の剥がれが生じているといった症状がある場合には、防水性能が低下している可能性があります。

天井や壁に雨染みがある、室内や共用部で漏水が発生しているといったケースでは、すでに防水機能が十分に発揮されていないおそれがあります。

このような状態を放置すると、建物内部の下地や構造体にまで影響が及ぶ可能性があるため、早めに防水工事を検討することが大切です。

見た目の問題というよりも、建物を維持するうえで重要な機能面に直結する不具合が中心である点が、防水工事の特徴といえるでしょう。

塗装工事が必要になりやすいケース

外観の印象が古く見える、汚れが目立つといった場合も、塗装工事を検討するきっかけになりますが、塗装工事の目的は見た目を整えることだけではありません。塗膜によって外壁や鉄部を保護し、紫外線や風雨によるダメージを抑えることも重要な役割です。

外壁の色あせ、塗膜の剥がれ、表面を触ったときに白い粉が付くチョーキング、鉄部のサビといった建物表面に現れる経年劣化が代表的な症状として挙げられます。こうした症状を放置すると建物表面の保護機能が低下し、劣化が進行しやすくなるため、塗装工事が必要となります。

防水工事と塗装工事の両方が必要なケース

防水工事と塗装工事は、どちらか一方だけが必要になるとは限りません。実際の大規模修繕では、屋上やバルコニーの防水性能が低下している一方で、外壁や鉄部にも劣化が進んでいることが多く、防水工事と塗装工事の両方を実施するケースは少なくありません。

特に築年数が進んでいる建物では、複数の部位が同時に劣化していることがあります。そのような場合には、防水工事で漏水リスクに対応しながら、塗装工事で外壁や付帯部の保護機能を回復させるといった対応が必要になります。

防水工事と塗装工事の検討時チェックポイント3

防水工事と塗装工事の違いを理解したうえで、実際に修繕を検討する際のチェックポイントを確認していきましょう。適切な判断を行うためには、工事を依頼する前に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。

【防水工事・塗装工事の検討時チェックポイント】
  • 劣化症状を部位ごとに確認する
  • 見積もりは工事範囲と目的を確認する
  • 大規模修繕の実績がある業者に相談する

1.劣化症状を部位ごとに確認する

防水工事と塗装工事を適切に検討するためには、まず建物のどこにどのような劣化が生じているのかを、部位ごとに分けて確認することが大切です。

確認したい主な部位としては、屋上、バルコニー、外壁、シーリング、鉄部などが挙げられます。

たとえば、屋上やバルコニーであれば防水層の膨れや剥がれ、ひび割れ、水たまりの発生などがないかを確認し、外壁では色あせやチョーキング、ひび割れ、塗膜の浮きや剥がれなどを見ていきます。

シーリングの破断や痩せ、鉄部のサビなども見逃せないポイントです。

劣化症状を部位ごとにしっかりと確認しておくことによって、業者に的確に依頼でき、業者も判断がしやすくなります。

2.見積もりは工事範囲と目的を確認する

見積もりを確認する際は、金額や工事項目の名称だけで比較するのではなく、その工事が「何を直すためのものなのか」「どこまでの範囲を含んでいるのか」を確認することが重要です。

「防水工事」と記載されていても、施工対象が屋上だけなのか、バルコニーや開放廊下まで含まれているのかといったように、内容が大きく異なります。同様に、塗装工事についても、外壁だけなのか、軒天や鉄部、付帯部まで含まれているのかで内容に差が出ます。

下地補修やシーリング工事が含まれているかどうかも重要な確認ポイントです。表面だけを仕上げても、下地の傷みや目地の劣化が残ったままでは、十分な効果が得られない可能性があります。

3.大規模修繕の実績がある業者に相談する

防水工事と塗装工事を検討する際は、大規模修繕の実績がある業者に相談することも重要です。建物の修繕は、単に目立つ不具合を直すだけではなく、建物全体の状態を確認しながら必要な工事を整理していく視点が求められるためです。

外壁の劣化が気になる場合でも、実際には防水層やシーリングの劣化が進んでいることがあります。そのため、単なる塗り替え提案だけではなく、防水と塗装を切り分けたうえで、建物全体としてどのような修繕が必要かを説明できる業者のほうが望ましいでしょう。

防水工事と塗装工事を別のものとして整理し、それぞれの役割や優先順位をわかりやすく説明してくれるかどうかも、相談先・依頼先を見極めるポイントになります。適切な修繕計画を立てるためには、工事を売ることだけを目的とするのではなく、建物の状態に応じて必要な対応を提案できる会社を選ぶことが大切です。

防水工事と塗装工事の違いを理解して適切な修繕を

防水工事と塗装工事は、どちらも建物を維持するうえで欠かせない工事です。そのため、建物の修繕を検討する際には、「どちらかのみを行えばよい」と考えるのではなく、それぞれの違いを踏まえたうえで必要な工事を判断することが大切です。

特に大規模修繕では、建物全体の状態を見ながら、防水性能の低下が見られる部位には防水工事を、外壁や付帯部の保護機能が低下している箇所には塗装工事を行うなど、状況に応じた対応が求められます。

適切な修繕につなげるためには、まず現在の劣化状況を正しく把握し、どの部位にどの工事が必要なのかを整理することが重要です。工事の必要性に迷った場合は、専門の業者に依頼して診断をしてもらい、建物の状態に合った修繕計画を立てることをおすすめします。

防水工事・大規模修繕は白鳳にお任せください!

防水工事・大規模修繕は白鳳にお任せください!

今回は防水工事と塗装工事の違いについて解説しました。

私たち株式会社 白鳳は6,000件以上の大規模修繕に携わってきた実績を持ち、設計から施工まで一貫対応が可能な大規模修繕専門企業です。外壁補修やリフォーム、建材の張り替えの他にも、床や内装、タンク、配管、建具などの塗装も得意としています。

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