マンションの防水工事では何をする?手順や注意点、費用まとめ
2026年5月7日


入居者が快適にマンションで暮らし続けるためには、建物を良好な状態に保つための定期的なメンテナンスが欠かせません。その中でも、防水工事は建物の劣化や漏水を防ぐための重要なメンテナンスの一つです。
しかし、防水工事の必要性は理解していても、「どのような工事内容なのか」「どのような流れで進むのか」「どの業者に依頼すればよいのか」といった点が分からず、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マンションの防水工事の概要をはじめ、必要性や具体的な手順、さらに業者選びのポイントについて分かりやすく解説します。
<目次>
マンションの防水工事とは?
マンションの防水工事とは、建物内部へ水が侵入するのを防ぐために、防水層を形成・補修する工事のことです。屋上やバルコニー、共用廊下、外壁など、雨水や湿気にさらされやすい部位に防水処理を施し、建物を水から守ります。
防水層が適切に機能していることで、雨漏りや漏水を抑え、建物の劣化を防ぐことができます。
マンションの防水工事を行う必要性3つ
防水工事は、単に雨漏りを防ぐためだけの工事ではありません。建物の安全性や耐久性、さらには資産価値を守るうえでも重要な役割を果たします。
ここでは、防水工事を行う必要性について、3つのポイントから解説します。
- 雨水の浸入を防ぐ
- 建物の構造体を保護する
- 建物の資産価値・寿命を保つ
1. 雨水の浸入を防ぐ
まず防水工事の必要性として挙げられるのが、雨水の侵入を防ぐことです。
屋上やバルコニーは、日常的に雨水にさらされています。適切な防水処理がされていないと、水が建物内部に侵入しやすくなり、雨漏りや結露につながるリスクが高まります。
防水工事によって防水層を形成することで、雨水の侵入を防ぎ、室内環境を良好に保つことが可能です。
2. 建物の構造体を保護する
防水工事は、建物の内部構造を守るためにも重要です。
建物内部に水が侵入すると、コンクリート内部の鉄筋が腐食しやすくなります。鉄筋が腐食すると膨張し、コンクリートがひび割れたり、剥がれ落ちたりする「爆裂現象」を引き起こす恐れがあります。
防水層はこうした水の侵入を防ぎ、建物の構造体を健全な状態に保つ役割を果たします。
3. 建物の資産価値・寿命を保つ
防水工事は、建物の耐久性を維持し、資産価値を守るための基本的なメンテナンスです。
定期的に防水工事を行うことで、劣化の進行を抑え、大規模な修繕が必要になるリスクを低減できます。その結果、将来的な修繕費用の高額化を防ぐことにもつながります。
防水工事は、マンションを長く安全に使用するために欠かせない重要な工事といえるでしょう。
関連記事:4種類の屋上防水工事について解説!費用や点検のポイント
防水工事を行うタイミング
マンションの防水工事は、防水機能が大きく低下する前に、計画的に実施することが重要です。
一般的には、築10〜15年を目安に初回の防水工事を行い、その後も10〜15年ごとに再施工することが推奨されています。
防水工事は単独でも実施できますが、大規模修繕工事と同時に行うことで、足場費用の削減や工事の効率化が可能になります。そのため、多くの管理組合では、防水工事を大規模修繕の主要工事の一つとして計画しています。
また、築年数だけで判断するのではなく、目に見える劣化症状をチェックすることも重要です。次のような症状が見られる場合は、防水性能が低下している可能性があります。
- 防水層のひび割れや剥離
- 塗膜の膨れや粉状化(チョーキング)
- 水たまりが長時間残る
- 室内の雨染みや水滴
- カビや異臭の発生 など
これらの兆候がある場合は、早めに専門業者へ相談し、防水工事の検討を進めることが大切です。
マンションの防水工事の種類|それぞれのメリット・デメリット

マンションの防水工事にはいくつかの工法があり、施工場所や求める耐久性、予算などによって適した方法が異なります。ここでは、代表的な防水工法と、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
- ウレタン防水
- シート防水
- FRP防水
- アスファルト防水
1. ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水膜を形成する工法で、マンションの屋上やバルコニーで広く採用されています。
継ぎ目のない防水層を作れるため水が侵入しにくく、複雑な形状にも対応しやすいのが特徴です。施工期間が比較的短く、コストと性能のバランスが良い工法といえます。
▼ウレタン防水のメリットデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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2. シート防水
シート防水は、塩ビやゴムなどの防水性のシートを貼り付ける工法で、耐久性が比較的高いのが特徴です。
工場生産のシートを使用するため品質が安定しており、つなぎ目は熱融着や接着で処理します。シート自体の耐候性・耐久性が高く、大規模な面積の施工にも向いています。
▼シート防水のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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3. FRP防水
FRP防水は、繊維強化プラスチックを用いた防水工法で、軽量かつ強靭な防水層を形成します。
ポリエステル樹脂にガラス繊維などを組み合わせて層状に施工し、膜厚を確保することで高い耐水性を実現します。仕上がりが滑らかで見た目が良いため、ベランダや通路などで採用されることが多い工法です。
▼FRP防水のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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4. アスファルト防水
アスファルト防水は、化学繊維で作られたシートにアスファルトを含ませ、下地に貼り重ねていく工法です。耐久性に優れており、大規模修繕時や長期耐久を求める箇所で採用されることがあります。
層が厚いため防水性能が高く、中〜大規模な建物での実績が豊富です。
▼アスファルト防水のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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関連記事:防水工事の種類は?その特徴・耐用年数・工法を徹底解説!
防水工事の手順
マンションの防水工事は、ただ施工するだけではなく、事前調査から完了検査まで段階的に進められます。ここでは、防水工事の一般的な流れを解説します。
- 現地調査
- 工法・仕様の決定
- 契約・着工前の準備
- 施工
- 検査・引き渡し
1. 現地調査
まず行うのが現地調査です。防水層の劣化状況やひび割れ、膨れの有無を確認し、雨漏り箇所や原因の特定を行い、あわせて排水口周りの状態もチェックします。
現状を正確に把握しなければ、最適な工法や補修範囲を決めることができません。調査は防水工事の成否を左右する重要な工程といえるでしょう。
2. 工法・仕様の決定
調査結果をもとに、最適な工法と仕様を決定します。
建物の形状や既存防水層との相性、耐久性、予算、今後の修繕計画などを総合的に検討し、ウレタン防水・シート防水・FRP防水・アスファルト防水などから適切な方法を選定します。
3. 契約・着工前の準備
工法が決まったら契約を締結し、着工前の準備を行います。施工スケジュールの確定や足場設置計画の策定を進めます。
あわせて、住民への案内や掲示を行い、工事内容や期間を周知します。周囲の安全確保やトラブル防止のためにも、事前説明は欠かせません。
4. 施工
防水工事の施工は、工法ごとに細かな違いはありますが、基本的な流れは共通しています。
- 高圧洗浄で汚れや劣化部分を除去
- ひび割れなどの下地補修
- プライマーを塗布し、防水材との接着性を高める
- 防水材を塗布または貼り付け
- トップコート仕上げ
5. 検査・引き渡し
施工完了後は、仕上がりの確認を行います。防水層の膜厚や塗りムラ、接合部の処理状況などをチェックし、必要に応じて散水試験などを実施します。
問題がなければ引き渡しとなり、保証内容や今後の点検計画を確認して完了です。
防水工事を行う際の注意点

防水工事は、建物の寿命や資産価値に大きく関わる重要な工事です。トラブルを防ぎ、長期的に安心できる防水性能を確保するためには、事前準備や進め方が非常に重要になります。
ここでは、防水工事を行う際に特に意識しておきたい注意点を解説します。
- 事前調査・仕様検討を徹底する
- 管理組合での合意形成・総会承認を確実に
- 信頼できる業者・保証内容を重視する
1. 事前調査・仕様検討を徹底する
防水工事は、事前の劣化診断、工法選定、仕様決定の精度が仕上がりとコストに直結します。
既存の防水層の劣化状況や下地の状態は、建物ごとに大きく異なります。専門業者による現地調査を行わずに工事を進めると、不十分な見積や不適切な工法選定につながるリスクが高まります。
また、調査や仕様確定を省略してしまうと、工事後に追加補修ややり直しが必要になるケースもあります。
調査報告書には、写真、劣化度合い、推奨工法などを明記してもらいましょう。あわせて、見積書に下地補修や付帯工事の範囲が明記されているかも重要なチェックポイントです。
2. 管理組合での合意形成・総会承認を確実に行う
防水工事は、費用や工事内容、範囲、期間などを管理組合で共有し、総会で承認を得ることが必須です。
屋上や外壁、共用廊下などの防水工事は共用部分の工事に該当するため、管理組合の正式な議決事項となります。承認を得ずに進めてしまうと、規約違反や責任問題に発展する可能性があります。
理事会で計画案をまとめたうえで、総会で報告と承認を行いましょう。工事内容や費用、修繕積立金の使途、支払いタイミングなどは文書で明確にしておくことが重要です。
また、事前に住民説明会を行い、工事期間中の注意点(騒音・臭気・立入制限など)を共有しておくことで、工事中のクレームやトラブルを防ぎやすくなります。
3. 信頼できる業者・保証内容を重視する
工事費用の安さだけで業者を選ぶのではなく、施工品質や保証内容、アフターケアまで含めて総合的に判断しましょう。
工事の価格だけを重視すると、施工不良や防水不具合が発生し、追加工事や再施工が必要になり、かえって費用負担が増えることもあります。
複数社から見積を取り、施工実績、保証年数、施工責任の範囲、アフターサポート体制などを比較することが大切です。
施工後の不具合対応や保証期間については、必ず書面で確認しましょう。あわせて、下地補修の追加や雨天対応など、追加費用が発生する可能性があるケースについても事前に確認しておくと安心です。
マンションの防水工事でかかる費用の目安
防水工事の費用は、施工面積・工法・下地の状態・付帯工事の有無などによって大きく変動します。一般的な目安としては、1㎡あたり約6,000〜15,000円程度が相場とされています。
工法別のおおよその単価目安は次のとおりです。
| 工法 | ㎡単価目安 |
|---|---|
| ウレタン防水 | 約6,000〜12,000円/㎡ |
| FRP防水 | 約6,500〜10,000円/㎡ |
| シート防水 | 約6,000〜15,000円/㎡ |
| アスファルト防水 | 約6,000〜22,000円/㎡ |
※あくまで目安であり、実際の金額は建物条件によって変動
また、防水工事では材料費だけでなく、次のような費用も加算されます。
- 足場・仮設費
- 高圧洗浄・下地補修費
- 排水ドレン交換費
- 廃棄物処理費
- 現場管理費 など
これらの費用が重なることで、当初想定より総額が高くなるケースも多く見られます。見積書を確認する際は、防水工事本体だけでなく、付帯費用の内訳まで必ずチェックしましょう。
防水工事の業者選びのポイント

防水工事の品質は、業者選びによって左右されます。費用だけで判断せず、提案内容や実績、保証体制なども含めて総合的に比較することが重要です。
ここでは、業者選定時に押さえておきたいポイントを解説します。
- 現地調査・提案力がしっかりしている会社を選ぶ
- 見積もりの内容が明確で比較できる業者を選ぶ
- 実績・保証・アフターサービスがある業者を選ぶ
1. 現地調査・提案力がしっかりしている会社を選ぶ
業者は必ず現地調査を丁寧に行い、劣化状況や適した工法、工程、費用について分かりやすく説明してくれる会社を選びましょう。
防水工事は建物ごとに劣化状況や形状が異なります。現地を十分に確認せずに見積や工法を提案すると、本来必要な処理が漏れたり、逆に過剰な施工になったりするリスクがあります。
その点、信頼できる業者は「なぜその工法を選ぶのか」を根拠とともに説明してくれます。
現地調査後に、劣化箇所や雨漏りリスクを写真付きで報告してくれるか、工法ごとのメリット・デメリットを説明できるか、「ここが問題なのでこう対処する」という具体的な提案があるかなどを確認しましょう。
2. 見積もりの内容が明確で比較できる業者を選ぶ
見積書は、工事内容を判断する重要な資料です。費用内訳・工事範囲・使用材料・保証内容・工期などが詳細に記載されているかを確認しましょう。
例えば「防水工事一式」といった曖昧な見積では、後から追加費用が発生する可能性があります。少なくとも2〜3社から相見積もりを取り、項目ごとに比較することが大切です。
現状対応、下地補修、防水施工、仕上げ、管理費などが細かく記載されているか、追加工事が発生した場合の対応基準が明確かもチェックしておくと安心です。
3. 実績・保証・アフターサービスがある業者を選ぶ
マンションの防水工事は専門性が高いため、実績が豊富で、保証やアフターケアまで整っている業者を選ぶことが重要です。
防水工事は完成後に見えなくなる部分も多く、施工品質の差が耐久性に直結します。実績のある業者であれば、同規模・同条件の工事経験をもとに、適切な工法選定や施工管理が期待できます。
例えば以下のような項目を確認してみましょう。
- 過去の施工実績があるか
- 防水施工技能士などの専門資格者が在籍しているか
- 保証書が発行されるか
- 保証期間や補修対応範囲が明記されているか など
また、施工後の点検計画や定期チェックの提案がある業者であれば、長期的にも安心です。
マンション・ビルの防水工事 |大規模修繕専門 株式会社白鳳>
マンションの防水工事に関するよくある質問
ここでは、マンションの防水工事に関するよくある質問についてまとめました。
Q1. マンションの防水工事はうるさいですか?
Q2. マンションの防水工事は臭いですか?
Q1. マンションの防水工事はうるさいですか?
防水工事ではある程度の音は発生しますが、解体工事や大規模なコンクリート工事のような大きな騒音ではありません。ただし、工事の初期工程では比較的音が出やすくなります。
防水工事の主な作業は、高圧洗浄や下地補修、防水材の塗布や貼り付けです。これらの工程では機械音や軽い振動が発生しますが、断続的な作業音が中心です。
事前に工事日程や騒音が発生する工程を周知しておけば、トラブルは起きにくくなります。
Q2. マンションの防水工事は臭いですか?
防水工事では、工法によってにおいが発生することがあります。特にウレタン防水やFRP防水、アスファルト防水では独特のにおいを感じることがあります。
一方で、シート防水(塩ビやゴム)は比較的においが少ない傾向があります。
風向きや施工場所によっては室内ににおいが入り込むこともありますが、窓を閉める、換気扇を止めるなどの対策で軽減できます。
においは住民からのクレームの原因になりやすいため、施工前の十分な説明と配慮が重要です。
マンションの防水工事は実績のある業者にお任せを
本記事では、マンションの防水工事とは何か、その必要性や種類、進め方などについて解説してきました。
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