コラム

マンション大規模修繕工事の業者選び方とおすすめの比較ポイント

2025年7月28日

マンション大規模修繕工事の業者選び方とおすすめの比較ポイント

マンションの大規模修繕は、建物の劣化を防ぎ、安全性や資産価値を維持するためにも、避けて通れません。特に賃貸マンション経営において、定期的な大規模修繕はオーナーの義務であり、資産価値や入居率にも大きく影響します。

そんな一大プロジェクトの大規模修繕ですが、業者選びに失敗すると、工事の品質低下や予算の超過、住民トラブルといった大きな問題につながることも……。

そこでこの記事では、大規模修繕業者の選定方法や、おすすめの比較ポイント、注意すべき点をご紹介します。これから大規模修繕を控えている方は、ぜひ参考にご覧ください。

大規模修繕業者の選定方法

マンションの大規模修繕業者の選定方法には、主に「競争入札」「見積合わせ(みつもりあわせ)」「特命随意契約(随意契約)」の3種類が存在します。

競争入札

「競争入札」とは、複数の施工業者を競わせることで、適正な価格と質の高い施工を確保しようとする業者選定方式です。各業者に工事の仕様書や条件を提示し、見積もりを依頼します。

分譲マンションの場合、複数の区分所有者から集めた修繕積立金を使って工事を実施するので、支出の透明性、公平性、適正性が法的に強く求められます。そのため、業者選定時はこの競争入札方式を原則とするケースが一般的です。

対して賃貸マンションは、単一のオーナーがマンション全体の所有者であり、修繕費用もオーナー自身の財産から支出されるので、競争入札にこだわる必要はありません。

なお、競争入札には、公募で広く業者を募る「一般競争入札」と、特定の業者を指名して参加範囲を限定する「指名競争入札」があります。

また落札者の決定基準については、最も低い価格を提示した業者を落札者とする方法「最低落札方式」や、価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決定する「総合評価落札方式」、解決したい課題や達成したい目的を提示し、その課題に対する企画提案書を提出させる「企画競争入札方式(プロポーザル方式)」があります。

【業者の範囲】

一般競争入札公募で広く業者を募る方式
指名競争入札方式事前に複数の施工業者を指名し、指名された業者だけが入札に参加できる方式

【落札者の決定基準】

最低落札方式最も低い価格を提示した業者を落札者とする
総合評価落札方式価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決定する
企画競争入札方式(プロポーザル方式)解決したい課題や達成したい目的を提示し、その課題に対する企画提案書を提出させる

見積合わせ

「見積合わせ(みつもりあわせ)」とは、あらかじめ複数の施工業者を指名して、同一条件で工事の見積もりを依頼し、最も適切で信頼できる業者を選定する契約手法です。

指名競争入札と似ていますが、見積合わせは「見積書を取り寄せて比較する」というイメージで、競争入札と違って厳格なルールに縛られないことが特徴となっています。

競争入札ほどではありませんが、複数の業者で競い合うことになるので一定の競争原理が働きつつ、担当者との相性や人柄など、数値化しにくい評価も選定基準に含むことができます。

そのため、賃貸マンションの大規模修繕では、この見積合わせを採用するケースが非常に多いです。

特命随意契約(随意契約)

大規模修繕工事における特命随意契約とは、競争入札を行わず、特定の施工業者を指名して直接契約を結ぶ方式のことです。特定の業者を「特命」で「随意(自由に)」選定し、その業者と直接交渉して契約条件を決定します。

大規模修繕において特命随意契約を採用するケースは非常に限定的で、かつ特別な理由がある場合に限られます。例えば、エレベーターの制御盤交換など、特殊な技術と専門的なノウハウが必要なケースや、災害時など緊急性が高く迅速な対応が求められるケースなどが該当します。

通常は、費用が少額で競争入札の手間とコストが見合わないような小規模な工事、例えば共用部分の鍵交換や照明器具の交換などで採用されることの多い方式です。

大規模修繕業者を選ぶ際のおすすめ比較ポイント

大規模修繕業者を選ぶ際のおすすめ比較ポイント

大規模修繕の業者を選ぶ際、下記のポイントを押さえて比較すると、失敗が少なく、安心して修繕工事が進められます。

  • 大規模修繕の施工実績が豊富か
  • 建物の構造や築年数に合わせた提案があるか
  • わかりやすく詳細な見積書を提出してくれるか
  • 管理体制は整っているか
  • 施工品質はどうか
  • アフターサービスや保証制度の有無はどうか
  • 経営状況が安定しているか
  • コミュニケーションが取りやすいか

大規模修繕の施工実績が豊富か

過去の実績は業者選びの際の重要なポイントの一つです。似た規模・似た構造のマンションでの修繕経験があるかを確認しましょう。可能であれば、過去の施工事例などを見せてもらうのもおすすめです。

白鳳の施工事例>

建物の構造や築年数に合わせた提案があるか

建物にはそれぞれ個性があり、同じ時期に建った似たようなマンションでも、構造や築年数によって劣化の進行具合は変わります。そのため、画一的なプランではなく、建物の状況に応じた提案ができる業者が理想です。

【資料ダウンロード】白鳳の大規模修繕>

わかりやすく詳細な見積書を提出してくれるか

見積書の内容も、業者選びの基準の一つとして役立ちます。わかりやすく書かれているか?詳しい内訳が書かれているか?マンションの構造や予算に応じた提案内容になっているか?などを確認しましょう。

もし不明な点があっても、質問に対してわかりやすく説明してくれる業者であれば安心です。

現場レポート:見積の取り方はどうすれば、、??

管理体制は整っているか

工事責任者や担当者が明確で、連絡が取りやすい体制になっているかも重要なポイントです。特に複数の業者が出入りする大規模修繕では、現場の進捗管理や品質チェック、トラブル時の対応など、しっかりとした現場管理が求められます。現場監督や工事監理者が定期的に巡回し、オーナーや管理組合、管理会社との情報共有を怠らない体制が望ましいです。

施工品質はどうか

施工品質は、建物の耐久性や安全性に直結するため、慎重に確認すべきポイントです。しかし、施工品質や、先ほどご紹介した管理体制については、客観的かつ数値化された評価などがないため、比較するのがなかなか難しいのが実態です。

そこでおすすめのチェックポイントが「ISO 9001」認証の有無です。ISO 9001認証は施工品質や管理体制を評価する国際的な規格で、社内の品質管理体制が強化されていることや、PDCAサイクルを回しながら継続的に業務内容を改善していることを裏付ける、一つの指標となります。公式サイトなどに掲載している企業が多いので、ぜひチェックしてみましょう。

加えて、現場で実際にどのような工事が行われているか、修繕工事中の現場や、過去に修繕したマンションを見学させてもらうのもおすすめです。

アフターサービスや保証制度の有無はどうか

修繕後の不具合に対応してくれるサポート体制があるか?保証期間や対象範囲はどうか?といった点も必須の確認事項です。

特に防水や外壁塗装などは時間が経ってから不具合が見つかることもあるため、修繕後の定期点検の有無や、メンテナンススケジュール、緊急対応時の体制なども事前に把握しておくと安心です。

経営状況が安定しているか

施工会社の経営状況については、「経営事項審査」の評価が役立ちます。

「経営事項審査(通称:経審)」とは、国や地方公共団体(都道府県、市町村など)が発注する公共工事を直接請け負う建設業者が必ず受けなければならない審査で、経営規模や経営状況、技術力、労働福祉の状況など社会的な責任を果たしているかなどが審査されます。

マンションの大規模修繕工事は公共工事ではないものの、発注の際によく活用される評価の一つです。

経審の評価は、CIIC(一般社団法人 建設業情報管理センター)の公式サイトで誰でも検索することができますので、ぜひ確認してみてください。

コミュニケーションが取りやすいか

担当者とのコミュニケーションの取りやすさも大切なポイントです。課題を解決する能力はどうか、連絡をした時のスピード感はどうか、丁寧で相談しやすい雰囲気かなどをチェックしてみるとよいでしょう。

大規模修繕業者を選ぶ際の注意点

大規模修繕業者を選ぶ際の注意点

大規模修繕の業者を選ぶ際は、ご紹介した比較ポイントに加えて、「利益相反」と、「価格だけで選ばないこと」にも注意する必要があります。

注意点①:利益相反に気を付ける

大規模修繕における利益相反とは、管理組合の役員や管理会社、あるいは大規模修繕コンサルタントといった大規模修繕に関わる関係者が、その職務や、立場上知り得た情報および権限を利用して、自分自身や特定の第三者の利益を図ろうとすることを指します。

特に分譲マンションにおいては、特定の個人の利益が優先される状態であり、透明性や公平性が損なわれる重大なリスクです。

利益相反を防止する対策としては、業者選びの一連の流れを明確にして、全ての情報を区分所有者に公開すること、競争入札を徹底し、公正な選定基準を設けること、そして、大規模修繕コンサルタントなど、第三者の専門家を活用して、中立性を確保することなどが有効です。

注意点②:価格だけで選ばない

安すぎる値段には、何かしら裏がある可能性が考えられます。

まず前提として、大規模修繕工事では、施工中に新たな劣化が見つかったり、内部の劣化が予想以上に進行していたり、足場設置の難易度が想定よりも高かったりといったことが要因で、総工事費の5〜10%程度の追加費用が発生するケースがほとんどです。

ですが、施工会社の中には、見積り額を極端に低くして工事を受注し、あとから相場以上の追加工事や追加費用、過剰な工事を要求してくる悪徳なケースも存在します。そのため、「安ければ安いほど良い」という理由で業者を選ぶのは、大変危険です。

また、追加費用が発生するケース以外に、材料の質を落としてコストカットしているケースや、人員の削減・工程の省略でコストを抑えているケースなども考えられます。このようなケースは、施工不良や工期の遅延、短期間での劣化など、将来的なトラブルにつながる恐れがあります。

さらに、無理な受注で利益が出ず、資金繰りが悪化し、最悪の場合、工事途中で倒産するリスクも100%無いとは言い切れません。

業者選定時は見積書や提案書の内容をしっかりと比較し、価格だけでなく、総合的な価値で判断するように気をつけましょう。

【まとめ】業者選びは大規模修繕の大事なステップ

今回は、大規模修繕業者の選び方や比較時のチェックポイント、そして注意点についてご紹介しました。

見積もりは最低でも3社以上から取り、内容や対応を比較検討することが基本です。もし、過去にその業者を利用したオーナーや管理組合の方に直接ヒアリングできる機会があれば、実際の対応や品質、評判について聞いてみるとよいでしょう。

さらに、管理会社や第三者のコンサルタントへ相談するという方法も有効です。特に初めての修繕で不安がある場合は、相談しやすい専門機関や窓口を確保しておくことが大切です。

大規模修繕の業者選びは、マンションの将来を左右する大事なステップですから、焦らず、慎重に進めていきましょう。

マンションの大規模修繕は白鳳にお任せください

マンションの大規模修繕は白鳳にお任せください

私たち株式会社 白鳳は6,000件以上の大規模修繕に携わってきた実績を持ち、設計から施工まで一貫対応が可能な大規模修繕専門企業です。外壁補修やリフォーム、建材の張り替えの他にも、床や内装、タンク、配管、建具などの塗装も得意としています。

マンションは外部環境や経年劣化により、定期的なメンテナンスや修繕の必要が生じます。建物を長く安全に保つためにも、長期的に安心してお付き合いできる優良業者に依頼することが大切です。

ご相談は無料となっておりますので、大規模修繕・外壁塗装でお悩みのマンション管理会社様、管理組合の担当者様、オーナー様はぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

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