コラム

大規模修繕工事の内容をわかりやすく解説!失敗しない進め方は

2021年7月30日

大規模修繕工事の内容をわかりやすく解説!失敗しない進め方は

約12年に1度のペースで行われるマンションの修繕は「大規模修繕工事」と呼ばれ、工事は広範囲にわたります。そのため限られた予算の中で滞りなく進められるよう、工事内容をきちんと理解しておくことが大切です。

この記事では、大規模修繕工事の具体的な工事内容や費用、進め方を解説します。

関連記事:「大規模修繕とは?費用に見合う工事の進め方!

大規模修繕工事の目的は?先延ばしするとどうなる?

頑丈に作られたマンションですが、雨や風、紫外線などの影響を受けて日々劣化が進んでいます。大規模修繕工事では、それらの建物に生じたダメージを修復し、「安全性の維持」と「資産価値を守る」ことを目的にしています。

大規模修繕工事を行う目安は10年~12年とされていますが、はっきりとした期限は設けられていません。

そこで「目立った劣化はないし、まだ大丈夫だろう」と先延ばししてしまうと、ダメージが深刻化し、気づけば修繕費が高額になってしまうこともあるため、マンションの美観や居住性を守るためにも、適切な周期で修繕を行う必要があります。

大規模修繕の工事内容はここをチェック

大規模修繕の工事内容は、国土交通省のガイドラインにて項目が決められています。

工事項目は「仮設工事」「建物」「設備」の3つに分類され、それぞれ修繕を行う時期の目安が記載されています。

1回目の大規模修繕に関しては主に「建物」の工事が焦点となっており、具体的な工事内容は以下のとおりです。

修繕工事項目 工事場所・内容
屋根防水屋上の補修
床防水バルコニー・廊下・階段などの防水加工
外壁塗装コンクリート補修、タイル張替え、シーリング打ち替え
鉄部塗装屋上フェンスなどの雨掛り部分の取替え、
配電盤類などの非雨掛り部分などの取替え
共用内部エントランス エレベーターホールなどの補修
参照:国土交通省 長期修繕計画作成ガイドライン

国土交通省のガイドラインでは、「建物」に関する工事は12年目を目安に、電気設備など「設備」に関する工事は15年目を目安に行うこととしています。

したがって、1回目の大規模修繕では建物に関する工事が多くなり、2回目以降になると設備に関する工事も増え、工事範囲は広くまで及ぶようになります。

実際に行われている大規模修繕の工事内容は?

大規模修繕の工事では、実際にどんな工事が行われているのでしょうか。

  • 外壁関係(塗装・タイルの補修含む)24.0%
  • 防水関係 22.0%
  • 仮設工事 19.2%

参照:国土交通省 マンション大規模修繕工事に関する実態調査

国土交通省の実態調査によると、大規模修繕工事の金額の内訳は、「外壁塗装」と「防水工事」が多いという結果になっています。

3番目に入っている仮設工事は、外壁塗装を行う時など足場を組むのに欠かせない工事であるため、大規模修繕工事では基本的に仮設工事を行うと考えておいた方がよいでしょう。

次にどんな場所でどんな修繕工事が行われるか、詳しく見ていきましょう。建物外と建物内の修繕工事に分けて説明します。

外装部の工事内容(建物外)

外部環境の影響を受けやすい外装部の工事内容をまとめました。

躯体の補修

躯体(くたい)とは、柱・壁・梁・床など「建物の構造を支える」箇所を指します。

マンションの躯体では主に外壁側に問題が発生します。外壁の剥がれなどから雨水が侵入することで、サビが発生したり、コンクリートが露出したりする症状が見られます。

躯体の補修では、柱に使われているコンクリートのひび割れや浮きが生じているところを補修します。

外壁塗装

塗装工事は景観を保つために大切な工程です。

塗装を適切に行うことで、コンクリートの腐食を防ぎ、躯体の劣化を遅らせる目的もあります。防水の役割も担っている外壁塗装工事は、大規模修繕工事に欠かせない工事の一つです。

塗料の種類は、防水性に優れたもの、遮熱性能があるもの、防カビ性に優れたものなど目的によって選べるため、施工会社任せにするのではなく、どんな仕上げを希望するのか事前に打合せをしておきましょう。

屋上防水

雨ざらしになっている屋上は、紫外線の影響も受けやすく劣化しやすい場所です。
通常、屋上には「防水」が施されていますが、月日の流れによって防水性能が徐々に弱まります。

防水性能が弱くなれば、雨漏りしやすくなるだけでなく、浸水によって建物の構造にも影響が及ぶ危険性が出てくるため、定期的に防水工事を行い、防水層を保つことが大事です。

外壁タイルの補修・張替え

外壁タイルは雨風や気温の影響で劣化が進みます。

タイルの劣化症状には、浮き・剥がれ・落下があり、タイルと下地コンクリートの間で接着力が弱まると、浮きが生じます。

さらにタイルの浮きをそのままにしていると、剥がれ・落下に繋がります。もしタイルが落下した際に、通行人がいれば危害が及ぶこともあるため注意が必要です。

またタイルの劣化によって雨水が建物内部に侵入し、耐久性を損なう恐れもあります。

建物の耐久性を向上させ、安全を守るためにも外壁タイルの補修・張替えは必要な工事といえるでしょう。

外構(エクステリア)

外構(エクステリア)とは、駐車場や駐輪場・フェンス・照明など、建物物周りに設置されたものです。工事内容としてはアスファルト舗装や鉄部のサビ・剥がれの補修を行います。

居住者の希望に合わせて、防犯工事やプライバシーを考慮したフェンス設置などが行われることもあります。また居住者の高齢化にともなって、エントランスをバリアフリーにすることもあるでしょう。

共用部の工事内容(建物内)

建物内では、主に共用部の補修を行います。

マンションの共用鉄部の塗装

マンションの共用鉄部とは、階段やエレベーター、鉄骨階段を指します。

それらは経年劣化により、塗装の剥がれやサビが発生しやすくなるため、塗装を定期的に行うことで美観を維持し、塗料によって鉄の劣化を防ぐ狙いがあります。

防水(床・廊下など)

建物内の防水工事は、主にバルコニー・廊下・階段に行います。

長尺シートには耐久性があり、防水性能を高める効果もあるため、最近では、長尺の塩ビシートを施工することが多くなっています。
長尺シートには、歩行者が滑って転ばないようにする防滑性があるので、安全面が強化できます。

電気設備の交換

電気設備は、利用する頻度が高い設備の一つです。

大規模修繕時には、建物に電気を引き込むための共用部の引込開閉器盤などの修繕・交換を検討します。

また電気設備だけではなく、LEDなどの照明器具の取替えを検討したり、さらに電気容量が不足している場合には、電力幹線の改修を行うこともあります。

どの工事をすべき?各工事を行うタイミング

大規模修繕工事では多くの工事項目がありますが、一度に全てを行う必要はありません。

建物の劣化状況によりますが、以下のように工事を行う目安が設けられています。

屋上10年
ベランダバルコニー・共用内部(ホール等)12年
外壁塗装13年
廊下や階段12年
電気設備15年
エントランスなど20年でリノベーションが理想的
参照:国土交通省 長期修繕計画作成ガイドライン

大規模修繕工事の予算の目安

国土交通省発行の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1戸あたりの修繕費用は、75万~125万円が全体の約3割を占めています。

マンションの規模にもよりますが、1回の修繕費用は分譲マンションの場合、1戸当たり60~70万程度、賃貸マンションであれば30~50万程度が想定されます。 

予算が少ない場合はどうする?

修繕費用をできるだけ抑えたい場合は、頭の高さ以上にある躯体やタイルの補修など「危険が及ぶ箇所」の工事を優先して行いましょう。

例えば天井や壁のタイルが剥がれそうな場所や、コンクリート内部が露出して、壁の一部が落ちてきそうな場所は早目の修繕が必要です。

共用部に関しては、天井に重大な欠陥が見られる場合は早目の処置をします。
他の優先箇所としては、今現在漏水している箇所や、劣化がひどい個所が挙げられます。

関連記事:「大規模修繕工事の費用を徹底解説!

大規模修繕工事の流れ・期間

大規模修繕工事の期間は、建物の規模によっても異なりますが、2か月から3か月かかることが一般的です。

また工事が始まるまでに、修繕計画の作成や修繕委員会の発足、居住者への説明など、1年から2年を要します。

実際の工事の流れ

大規模修繕工事では、まずは建物の劣化を確認する「現地調査」から始まります。基本的な工事の流れは以下のとおりです。

  1. 現地調査
  2. 修繕箇所・見積確認
  3. 関係者に説明
  4. 契約・施工スケジュールの確認
  5. 工事
  6. 撤去・完了検査
  7. 引き渡し

修繕箇所と見積を確認し、居住者の理解を得てから工事の契約に進みます。そしてスケジュールを調整した上で、修繕工事が行われます。

失敗せずに大規模修繕工事を進める!4つのポイント

失敗せずに大規模修繕工事を進める!4つのポイント

大規模修繕工事を円滑に進めるために、気をつけたいポイントをまとめました。

1.建物の劣化状況をきちんと把握する

建物の劣化診断は、管理会社や施工会社に依頼することが多くなりますが、事前にどういう劣化があるのか確認することもできます。

尚、建物の劣化状況を知るためには、さまざまな方法があります。

  • 通常の外壁診断(手の届く範囲の打診調査も含む)
  • 居住者への調査によるアンケート診断
  • 赤外線サーモグラフィーによる外壁診断
  • 竣工図などの書類調査
  • ドローンによる外壁診断

例えば、居住者へのアンケート調査の場合、どんなところに不具合を感じているか、居住者でしか分からないこともあるため、劣化診断とアンケート結果を活かすことで、よりスムーズに修繕工事を進められるでしょう。

2.居住者の理解を得る

大規模修繕工事では、共用部での工事が多くなるため、居住者の理解が必要不可欠です。

そのため、居住者へ建物の劣化状況をしっかり伝えること、どんなスケジュールで進めるのか情報を共有しておくことが大切です。

また修繕工事を検討する際に修繕委員会を立ち上げ、施工会社の選定を行ったり、修繕計画を立案したりして、さまざまな取りまとめを行うこともあります。

3.資金計画を立てる

大規模修繕工事は、「修繕積立金」の範囲内で行うのが最善ですが、実際には積立金だけでは不足する場合もあります。

工事費用がどうしても抑えられない場合は、居住者に一時金の徴収を行ったり、金融機関からの借り入れを検討したりします。

自治体によっては、助成金などを出している場合もあるので、こまめに情報収集をしておくことも大切でしょう。

4.実績のある会社を選ぶ

大規模修繕工事を成功させるには、パートナー選びが大きなカギを握っています。

そのため、大規模修繕を検討する際には、予算や工事内容に合わせて依頼先を選びましょう。

  • 設計コンサルタントに依頼する
  • 管理会社に委託する
  • 施工会社に委託する

設計コンサルタントは、設計と工事部門が分離しているため、それぞれの立場から意見を貰いやすくなりますが、費用は高くなりがちです。

管理会社は、建物の状況を知っているので一見安心ですが、任せたままにするのは危険です。

見積内容・工事内容をよく確認して、疑問点がないようにしたり、また他社にも見積をとり、比較検討をすることも大切でしょう。

施工会社の場合は、施工方法やアフターフォローなどで大きな差があります。実績が豊富な「大規模修繕専門」の会社を選んでおくと安心です。

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今回は、マンション大規模修繕の内容について解説してきました。

マンション大規模修繕に際しては、適切な人数かつ公平な人選で管理委員会を結成すること、予算にあった発注方法を選択すること、アフターケアまで考えてくれる業者を選ぶことが大切です。

マンションは建て替えまでに数十年という期間があります。その間複数回にわたって修繕が必要になるため、長期的なスパンでケアを考えてくれる優良業者に依頼することが、マンションを長く安全に保つことにつながります。

白鳳はお客様のご希望に寄り添った大規模修繕工事を実現します。

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